横浜市鶴見区にある「ファンタジーサウナ&スパおふろの国」といえば、エンターテイメント性の高いロウリュイベントを開催してきた日本の熱波道の草分けと言うべき施設ですが、最近そのフロクニのロウリュイベントに大きな変化がありました。
それは、自社スタッフによる平日熱波イベント(通称ハマ熱波)を一旦終了するということです。理由はいろいろと書いてありますが、プロ熱波師とのパフォーマンス力の格差、お客様の期待値に応えられないということも挙げられています。
今はそれだけ蒸気浴(ロウリュ・熱波・アウフグース)への理解が進み、お客様の要求水準が上がってしまったのは間違いありません。
おふろの国をはじめ、首都圏ではロウリュイベントを開催する施設がもはや数えきれないほどとなり、それぞれが日々工夫をこらしてレベルアップに勤しんでいます。
ロウリュをやっていればそれだけで珍しかった時代、単に水を掛けてサウナ室の空気をかき回しただけでお客様をビックリさせられた時代は過ぎ去りつつあるのです。
時代が過ぎ去ると言っても、ロウリュ人気が終わるということではありません。
90年代に大阪のニュージャパンサウナで本格的なロウリュイベントが導入されてから、20年以上の月日をかけてようやくここまで普及してきたのですから、もはや一過性の流行り廃りではありません。ようやく導入期から成長期へと移行したところです。
ライフサイクルは、上りのカーブが急であるほど下りも急になると言われます。逆に時間をかけて緩やかに上昇してきたライフサイクルカーブは長く続いていくのです。
昨今のサウナブームはロウリュ人気が火をつけた面がありますので、今後もロウリュに牽引されてサウナがさらに盛り上がっていくのではないかと考えています。
ではこれから日本のロウリュとサウナ文化はどのように変化していくのでしょうか。それは先進事例を見ていればある程度予想がつきます。
(1)開催頻度
いま日本で最もロウリュの開催頻度が高いのは神戸サウナ&スパ。20分おき、1日に計61回も開催していますので、圧倒的日本一です。そこまでやるためには、ロウリュのために投入するスタッフの人件費も相当なものになります。それができる施設は限られるでしょう。
しかし、オートロウリュや、水掛けだけでパフォーマンスなし、セルフロウリュなどの組み合わせで、いつ行ってもロウリュが楽しめる状態にはなっていくでしょう。
今後ロウリュを目的に温浴施設に行く人が増えれば、いつどんなタイミングで利用してもロウリュが楽しめなければ不満になってしまいますから、そうならざるを得ないのです。
(2)バリエーション
現在はアロマが変化する程度のバリエーションとしている施設が多いですが、これもエスカレートしていきます。アロマだけではなく、掛ける水の量、1回あたり時間、トークやタオルパフォーマンスなどを変化させて、お客さまを楽しませ、お客さまは自分の好みでどのイベントに参加するのかを選ぶようになっていきます。
以前ドイツに視察に行った時に、そのアウフグースイベントのレベルが高いことに圧倒されたのですが、ドイツでは複数のサウナ室を駆使してさまざまなアウフグースイベントを開催しており、そのプログラムを掲示しています。
https://www.rupertustherme.de/de/aufgussplaene/
上のリンク先は10年ほど前に訪問したドイツのBad Reichenhallという温泉保養地にあるRupertusThermeという温浴施設のアウフグースプログラム。
5つのサウナにおいて、様々なアウフグースイベントのバリエーションを提供しています。ニコちゃんマークの色で強度を表現しています。どの時間帯においても30分おきにアウフグースが楽しめるよう1日トータルで36回のプログラムになっています。
またドイツでは、アロマだけでなくアウフグースイベントの途中で塩やオリーブオイル、泥などを配布することもあります。それらをアウフグース中に肌に塗ることで浸透効果を高めているのでしょう。
(3)二面性
ドイツでは、上記のように時間と水の量による強度のバリエーション、さらにアロマやスキンケアアイテムを使うなどをしながら、真面目路線でに美と健康の改善効果を狙う「クラシックアウフグース」と、トークやタオルパフォーマンス、音や光の演出などを組み合わせたエンターテイメント型の「ショウアウフグース」という明確な2つの方向性があります。
日本でもおふろの国の熱波イベントに代表されるエンターテイメント型と、ととのうための真面目路線という二面性がだんだんハッキリしてくるのではないかと思います。
(4)地方へ波及
上記では横浜、神戸、そしてドイツの事例をご紹介しましたが、先進地で起きていることは今後地方各地へと波及していきます。まだロウリュが珍しい地域では、今後どうなるかという流れが分かってるだけに狙い目です。
(2020年2月6日執筆)

