不摂生の反省マーケット

回想 Recollect
ジョッキの生ジュース (SPA PLAZAA)

 以前、大阪のニュージャパンサウナさんで定期的に仕事をさせてもらっていた頃、会議の後はサウナに入らせてもらっていたのですが、そこで毎回必ず注文していたものがあります。

それは、ジョッキにたっぷり入ったニンジンとリンゴが主成分の生ジュースです。たしか値段は1杯650円くらいでしたが、サウナで汗をかいた後に欠かせない習慣となっていました。

その理由は、もちろん乾いた喉に美味しかったということもあるのですが、主に日頃の不摂生の反省からでした。当時私の生活習慣は頻繁な徹夜で慢性的に睡眠不足、食事は外食ばかりで暴飲暴食、運動はしないという不健康そのものな毎日でした。

体重は増え続け、健康診断の数値も年々悪くなる一方。それでも生来の丈夫な体質と若さでなんとか乗り切っているという状態です。自分でもそれでいいと思っているわけではなく、このままではいけないと思いながら過ごしていたのです。

最近はライフワークバランスというようなことも言われるようになりましたが、依然として日本のビジネス社会では、人間関係、目標達成、スキルアップ、キャリアアップなど様々なプレッシャーがのしかかり、自分の生活や健康をある程度犠牲にしながら、なんとか世の中を渡っていくという生き方が避けられないように思います。

そこから抜け出すために頑張らなければいけない時期も必要でしょう。

私もそんなひとりとして、日頃の不摂生を後ろめたく感じつつも、サウナと健康野菜ジュースで少し体に良いことをした気分になっていたのです。

生活習慣をすぐに抜本的に変えるのは難しいけど、身体をケアしなければ、と考えている人は多いと思います。

これも温浴施設の重要な役割であり、利用動機につながることだと思います。免疫力アップやアンチエイジングといったテーマになると少々込み入った話になりますが、いつも無理させている自分を少しケアしましょう、普段よりちょっと身体に良いことしましょう、というレベルなら簡単にできることがたくさんあるはずです。

温浴設備で身体を温めたり汗をかいたりする環境を提供しているのは、もちろんそこに対して大いに貢献しているわけですが、浴室以外でも様々なアプローチがあります。

例えば食生活の乱れには、玄米と味噌汁や野菜を多く使ったメニュー。睡眠不足にアロマテラピーやヘッドマッサージ。運動不足にストレッチ教室やタイ式マッサージ。

これらの取り組みはシンプルであり、施設コンセプトやグレードに関わらず導入できることだと思います。

(2017年3月2日執筆)

CABANAビーチのドリンクメニュー
(2019年撮影)
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